KATEKYO知恵袋
投票するってどういうこと?“わたし”の声を届ける選挙入門
2025年07月02日
2025年、私たちの国では重要な選挙が行われます。ニュースや街中でも「選挙」という言葉を耳にすることが増えてきましたよね。
「でも、自分にはまだ関係ない」
「なんか難しそうだし…」
そう思っている中学生・高校生の人も多いかもしれません。
でも実は、あなたが「18歳」になった瞬間から、選挙はぐっと身近なものになります。
今回は、「なんで投票するの?」「どうやって投票するの?」といった素朴な疑問から、少し先の未来に備えるためのヒントまで、選挙について一緒に考えてみましょう。
日本では、2016年から選挙権の年齢が「20歳以上」から「18歳以上」に引き下げられました。つまり、高校3年生の間に投票できる人がいるということです。世界の中でも、18歳で投票できる国は少なくありません。
「高校生でも社会の一員として考える力がある」という考えから、日本でもこの制度が導入されました。
たとえば、高校卒業後に就職する人にとって、地元で働く若者の声が地域の政策に反映されることが重要です。また、少子高齢化が課題となっている地域では、交通、農業、観光など、若い人の意見が必要とされるテーマがたくさんあります。
18歳になったらすぐに「選挙」という場面がやってくる。
そう思うと、ちょっと現実味を感じませんか?
総務省のデータによると、最近の国政選挙では、
- 10代後半(18〜19歳):およそ40〜50%
- 20代:およそ30%台
- 60代以上:60〜70%以上
というように、年代が若くなるほど投票率が低い傾向にあります。
つまり、 若い人の声が、政治の場に届きにくくなっているということです。
「若い世代は投票しない」という前提で政策がつくられてしまえば、教育や就職、将来の負担など、若い世代にとって大切な問題が後回しにされてしまうかもしれません。
「自分には関係ない」と思って投票を見送ると、それがまわり回って自分たちの暮らしに影響するかもしれないのです。
今では当然のように思える選挙ですが、昔はそうではありませんでした。
日本で初めて選挙が行われたのは明治時代。でも当時は、
- 男性だけ
- 財産のある人だけ
という限られた人しか投票できなかったのです。
女性が初めて選挙に参加できるようになったのは1945年(戦後すぐ)。
そしてようやく、すべての18歳以上の男女に投票権が与えられるようになったのはごく最近のことです。
先人たちが努力して手に入れた「選挙権」。
その重みを、私たちもちゃんと受け止めていきたいですね。
選挙のたびに郵送される「投票所入場券」があれば、簡単に投票できます。
でもその前に大事なのは「自分で調べて、自分の考えで選ぶこと」。
- 選挙の公報や新聞を読む
- 候補者の公式サイトを見る
- SNSで情報を比較してみる
- 家族や友達と話してみる
「誰がいいかわからないから行かない」ではなく、「わからないからこそ、自分で調べて考えてみる」ことが大切です。
たとえば、「防災」、「新幹線や道路の整備」、「自然環境の保護」や「観光政策」など、地域ごとに課題が違います。あなたが住んでいる町について知ることが、選挙の第一歩になります。
投票の流れはとてもシンプルです。
- 自宅に「投票所入場券」が届く
- 期日前投票または当日に、指定の会場で投票
- 身分証明書や入場券を提示して投票する
選挙はとても大切な制度ですが、それだけが政治とのつながりではありません。
中高生でも、こんな関わり方があります。「選挙権がないと政治に関われない」そんなことはありません。中高生にもできる“政治とのつながり”はたくさんあります。
- 学校の生徒会選挙に立候補する・投票する
- 学校での模擬選挙に参加する
- 地元の議会や選挙の情報をSNSやニュースでチェックする
- 「こんな社会にしたい」を友達や家族と話す
- 地域のボランティア活動に参加する
こうした日々の“関心”や“対話”が、将来の社会を動かす一歩につながるのです。
こうした行動も、立派な「社会との関わり」です。
まずは「気にすること」「知ろうとすること」からはじめてみましょう。
選挙は、「誰かすごい人がやるもの」ではなく、「社会の一員として、ひとりひとりが参加するもの」。
そして、あなたが社会に何を望むのかを伝える手段です。
いきなり政治に詳しくならなくても大丈夫。
でも、いつかやってくるその日のために、ちょっとだけ意識してみる―それが、「未来の自分」を守る第一歩になるかもしれません。
今年の夏は、3年ごとに実施される参議院議員通常選挙(第27回参議院選挙)が全国的に実施される予定です。この選挙は日本の政治を左右する重要な選挙といわれています。
今すぐに投票する年齢じゃなくても、今回の選挙をきっかけに、選挙の情報に触れたり、家族で話し合ったりすることが、いつか自分が投票するときの準備になります。
■「第27回参議院議員通常選挙」(参院選2025)は2025年7月28日の任期満了に伴い実施される選挙です。
公示日: 2025年7月10日頃
投票日: 2025年7月27日頃(一部報道では7月20日、その場合は公示日は前倒しに)
※正確な日程は今後、総務省から発表されます。最新の情報は、各県の選挙管理委員会の公式ウェブサイトや、選挙関連の報道機関の情報をご確認ください。