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第7回 新学習指導要領って 何が変わるの?
2020年08月27日
第6回まで大学入試改革について考えてきました。
「いろいろ変わるんだな」という事がわかって来ましたね。「知識を入れるだけではだめなんだ。」
という事もお分かりいただけたと思います。
さて、最終回の今回は、皆さんが学校で受けている授業は、何に基づいて行われているのか、何が変わるのか、
いつから変わるのか、について、お話していきます。
そもそも『学習指導要領』とは、なんでしょう。それは、文部科学省が定める教育課程(カリキュラム)のことです。
幼稚園から高等学校まで、どの学校もこの基準に基づいて授業をする必要があります。約10年ごとに改定されているんですよ。
時代に合わせていく必要があるのですね。
今回の改定についても、何度も検討を重ね、審議され、私たちに周知されたのが2017年でした。
幼稚園は2018年、小学校は今年2020年全面的に実施されました。どの学年も一気に変わったのです。中学校は2021年に全面実施されます。
高等学校は2022年入学生から順番に実施されていきます。
「何を知っているか、何ができるか」「理解していること、できることをどう使うか」「どのように社会・世界と関わり、よりよい人生を送るか」
という三つの柱を立て、改革が行われているのです。具体的に教科・科目がどう変わっていくのかを、高等学校の5教科を例にとってお話しします。
〇 国語 [現行]『国語総合』『国語表現』『現代文A・B』『古典A・B』
[改定]『現代の国語』『言語文化』『倫理国語』『文学国語』『国語表現』『古典探求』
太字の科目は必修科目です。(この後でお話しするどの科目も同様です。)
必修科目以外の科目は、学校によって選択が変わります。
『現代の国語』実社会・実生活に生きて働く国語の能力を育成する科目
『言語文化』 日本の言語文化への理解を深める科目
〇 社会 地理歴史[現行]『世界史A・B』『日本史A・B』『地理A・B』
(世界史から1科目・日本史と地理から1科目が必修)
[改定]『地理総合』『地理探求』『歴史総合』『日本史探求』『世界史探求』
公民 [現行]『現代社会』『倫理』『政治経済』
[改定]『公共』『倫理』『政治経済』
歴史では、世界史必履修を見直して、世界とその中における日本を広く相互的な視野からとらえ、近現代の歴史を考察する
『歴史総合』と変わります。
それに加え『地理総合』を必履修とします。これは持続可能な社会づくりを目指し、現代の地理的な諸課題を考察すること
を目的とするものです。
公民では、「公共」が必履修として設定されます。「公共」では、現代社会のいろいろな課題をとらえ、考え、選択したり
判断したりするための概念や理論を習得します。また一人一人が自立した存在として国家や社会の形成に参画する力を育成
する目的もあります。
〇 数学 [現行]『数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B・活用』
[改定]『数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B・C』
統計に関する学習の充実や数学を積極的に活用する態度を育成する観点から、新たに『数学C』が設けられます。
今まで数Ⅱで履修していた内容が数Cに移行する、などという改正もありますよ。
〇 理科 理科は科目は大きく変わりませんが、新しい教科『理数』に『理数探求基礎』「理数探究」が新設されることを踏まえ
『理科課題研究』が廃止されます。
〇 外国語 [現行]『コミュニケーション英語基礎・Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ』
『英語表現Ⅰ・Ⅱ』『英語会話』
[改定]『英語コミュニケーションⅠ・Ⅱ・Ⅲ』
『倫理・表現Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ』
いかがですか?科目の改定を見るだけでも、大きく変わることがわかりますね。これは最初にお話しした通り、2022年に高校に
入学する学年から変わります。したがって2024年度に行われる共通テストからは、新しい科目の試験が始まるのです。
また同じ科目でも2023年の高校3年生が学んでいない内容が入ることが十分に考えられます。2023年の高3生は要注意ですよ。
今回7回シリーズで 大学入試改革についてお話してきましたが、いかがでしたか? 知識を積み重ねていくことだけ
ではなく、「読んで、考えて、解いて、表現する」ことが、これからはとても大事になってきます。また『推薦入試』が大変
重要になってくることもお伝えしました。
あなたの将来は、あなた自身の努力で決まります。ここから、どのように進むべきなのか、どうしたら自分の足で歩ける
ようになるのか、たくさん考えて、たくさん悩んで、たくさん勉強していってくださいね。中学生の皆さん、「大学入試な
んてまだまだ先」なんて思っていませんか? どの高校に行くかを選ぶのも、あなたの将来には大変重要なことです。
高校入学はゴールではありません。義務教育を終え、大人への道を自分の足で歩きだすための、大事な一歩を踏み出すのです。
入学したら、その日からまた大学への道が始まります。
あなたの味方は、たくさんいます。KATEKYOの先生と一緒に、頑張っていきましょう。
まだまだお伝えしたいことはたくさんありますが、このあたりで幕を下ろします。
またお会いしましょう。ありがとうございました。