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子どもの不調は自律神経の乱れが原因かも!原因と対策まとめ
2022年11月30日
体調不良の原因として、よく耳にするようになった「自律神経」という言葉。これが乱れると体にさまざまな影響がでてきます。大人だけの症状だと思っている人もいるかもしれませんが、実は、ホルモンバランスが変化している成長期の子どもたちの不調の原因になっていることも多いようです。
今回は、自律神経に着目して、その働きや影響、整え方などを紹介していきます。
自律神経とは、人間の生命活動に欠かせない「呼吸」および内臓器官のすべてや血管をコントロールする神経です。自律神経のバランスが整うと血流がよくなり、腸の働きが活性化します。また、免疫の中心的役割を担う白血球のバランスがよくなり、免疫力がアップするといわれています。自律神経が整うことで免疫力の向上にもつながることから、自律神経を整えることは効果的な感染症対策としても注目を集めています。
自律神経の乱れからくる体調不良は、小学生~高校生まで幅広い年齢層で増えています。
・朝礼などで立っていると立ちくらみや貧血をおこす
・長時間立っていると気分が悪くなる
・座っていて急に立ち上がるとクラクラッとする
・運動しても汗をかけずに顔が赤くなる
・寝つきが悪い、眠りが浅い、目覚めが悪い、朝から体が重たい
・肩こり、首こり、背中や全身がガチガチに固い
・便秘、下痢、冷え性、偏頭痛、疲れやすい
上記のような症状がある場合、原因は自律神経の乱れかもしれません。では、これらの症状を緩和するにはどうすればよいのかみてみましょう。
私たち人間は、環境の変化に適応できるように作られています。四季のある日本人は、本来、その季節の変化に適応できるようになっています。
しかし、現代の私たちが暮らす社会では、学校や電車、バス、塾、自宅など、ほとんどすべての場所に冷暖房が完備されています。
季節による寒暖差を肌身で感じることがなくなると、もともと体に備わっている体温調節機能を働かせる必要がなくなります。子どもの頃から夏は涼しく、冬は暖かい環境に身を置いていると、自律神経が鍛えられず、十分に発達しません。
自律神経の正常な働きを促すには、暑い時は汗をかき、寒い時は体を動かして体温を上げて、自分の自律神経を働かせましょう。
また、筋肉の発達も自律神経の働きには欠かせません。子どものインターネット使用が当たり前になっている現代では、外で遊ぶよりもゲームやYouTube、SNSなど、体を動かさない遊びを好む子どもたちが増え、成長期に必要な運動が不足していることが問題になっています。スポーツが苦手な子には、親子でウォーキングやランニングをするなど、できるだけ屋外で過ごすように大人から誘ってみるのもいいかもしれません。
自律神経のバランスを乱す原因は不規則な生活や暴飲暴食などもありますが、最大の敵はストレスです。そうはいっても、現代のストレス社会では自律神経が整った状態を維持することがなかなか難しいと思います。そこで、簡単にすぐにできる自律神経を整える方法をいくつか紹介したいと思います。
・空を見上げるだけでいい
ストレス社会の要因のひとつは、常にスマホを手放せない生活における情報過多の状態にあります。そんな時は頭で考えることやめ、自然に囲まれた環境に身を置くことでリラックスしましょう。わざわざ遠出しなくても、散歩に出て公園の草花を眺めたり、空を見上げて深呼吸したりするだけでもいいんです。
上を向くことで気道がまっすぐになり体内に入る酸素が増え、末梢の血管が拡張して全身のすみずみまで酸素が行きわたることで自律神経のバランスが安定します。
・探し物はストレスのもと!
鞄の中身やデスクの上などで、使いたいものがすぐに見つからずにイライラすることはありませんか?それこそが、自律神経を乱す原因になっています。必要な物がすぐに取り出せるよう、身の回りの整理整頓をしてみましょう。
・3行日記で気持ちのデトックス!
その日あった嫌なことや心配事を抱えたまま布団に入ると、安眠の妨げにもなり、ストレスの蓄積につながります。そこでおすすめなのが3行日記です。
1行目 ストレスに感じたことを書く
2行目 感動・感謝したことを書く
3行目 ストレスの解決法や明日の目標を書く
それぞれの項目は1~2行で構いません。心の中を整理することで、穏やかな気持ちで眠りにつくことができます。ちなみに、日記はスマホやパソコンではなく、手書きでしてください。液晶画面が発するブルーライトは脳を刺激し、深い睡眠に入りにくくなります。また、毎日必ず日記を書かなくては!と構えるのもストレスになってしまいますので、無理のない範囲で続けてみてください。
以上、今回は自律神経の働きと、子どもと大人、それぞれにおすすめの自律神経の整え方を紹介しました。これから寒さが増して体調を崩しやすい季節になりますので、自律神経を整える生活を意識して感染症に負けない体を作りましょう!
参考書籍:自律神経にいいこと超大全 著者 順天堂大学医学部教授 小林弘幸
参考サイト:自律神経失調症完璧ガイド