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【最大72.4万円】高校無償化で広がる進路!静岡県の授業料支援
2025年09月03日
お子さまの高校進学を控え、「学費のことが気になる」「私立高校は家計的に難しそう」と感じていませんか? 実は近年、国と静岡県の支援制度により、公立高校だけでなく私立高校への進学も以前より現実的な選択肢になっています。
今回は、中学生のお子さまをもつ静岡県内の保護者の皆さまに向けて、「高等学校等就学支援金制度」と静岡県の「私立高等学校授業料軽減補助金制度」について詳しく解説しながら、進路選びに役立つ情報をお届けします。
文部科学省が運営する「高等学校等就学支援金制度」は、高校の授業料に充てるための支援金を国が負担し、家計の負担を軽減する制度です。
- 国・公・私立の高等学校(全日制、定時制、通信制)
- 中等教育学校の後期課程
- 特別支援学校(高等部)
- 高等専門学校(1~3年)など
- 在学中の生徒本人が支給対象
- 世帯の所得が一定基準以下であること(目安:年収約590万円未満/夫婦+子ども1人のモデル世帯)
- 支援金は授業料に直接充当され、保護者への直接給付ではありません
- 公立高校(全日制):11万8,800円(授業料全額相当)
- 私立高校:最大39万6,000円(所得に応じて段階的に支給)
※授業料以外の費用(入学金、教材費、制服代、施設費など)は対象外
- 在学する高校を通じて、年1回申請
- 市区町村発行の課税証明書など、所得証明書類が必要
就学支援金制度に加えて、静岡県では私立高校に通う生徒を対象に、授業料の一部を補助する独自制度があります。
- 静岡県内の私立高校(通信制を除く)に在学中
- 保護者が静岡県内に居住している
- 国の就学支援金の受給資格を満たしている
- 年収270万円未満:19万8,000円
- 年収350万円未満:13万2,000円
- 年収590万円未満: 6万6,000円
就学支援金(最大39万6,000円)と併用することで、 最大59万4,000円の補助を受けられる可能性があります。
国と県の支援制度は併用することが可能です。特に、私立高校に進学を希望するご家庭にとっては、経済的な負担を大幅に軽減できるチャンスとなります。
たとえば、非課税世帯で私立高校に進学する生徒の場合、以下のような支援が想定されます。
- 就学支援金(国):最大39万6,000円/年
- 授業料軽減補助(静岡県):最大19万8,000円/年
- 高校生等奨学給付金(国):最大約13万円/年(※授業料以外の費用に充当)
合計支援額の目安:最大約72.4万円/年
(※世帯の収入状況や通う学校により金額は変動します)
さらに、静岡県内では市町村単位での支援金(就学支援金の上乗せ、通学費補助など)や、教育ローンの利子補助なども利用可能なケースがあります。また、多くの私立高校では独自の奨学金制度や設備費減免制度を併用できるため、実質的な負担はさらに軽減されることがあります。必要に応じて自治体や志望校に直接問い合わせることもおすすめです。
「私立高校=高額」というイメージから、公立志望に偏る傾向がありました。しかし、支援制度を活用すれば、下記のような幅広い選択肢が現実のものとなります。
- 探究学習やICT教育が充実した進学型私立高校
- 医療・調理・保育・福祉など、専門性の高い学科
- 国際交流や留学プログラムを有する高校
「行ける学校」から「行きたい学校」へ。 選択の幅が広がることで、よりお子さまの個性に合った進路選びが可能になります。
授業料の支援制度が充実している一方で、入学金、施設整備費、教材費、制服代、PTA会費など、授業料以外にかかる費用も無視はできません。これらの費用も含めた“トータルコスト”で比較・検討することが重要です。
説明会や資料請求の際には、各高校の「初年度納入金」や「毎月の支出内訳」の確認もお忘れなく。特に私立高校では、分割払いが可能であったり、家庭の状況に応じた納入スケジュールを柔軟に調整できる場合もあります。
- 【情報収集】
- 公立・私立問わず資料請求/説明会参加
- 学費や支援制度に関する情報を整理
- 【家庭での話し合い】
- 子どもが興味ある分野・得意なことを一緒に整理
- 学校ごとの特徴(設備、教育方針など)を比較
- 【支援制度の確認】
- 支援対象に該当するか、所得基準や提出書類を確認
- 申請のスケジュール・方法を把握
- 【申請と出願】
- 進学先決定後、必要書類を提出(高校を通じて)
- 年度更新の必要があるため、継続的な確認も大切
お子さまにとって高校生活は、学びだけでなく人間関係や進路形成に大きく影響する大切な時間です。支援制度を活用して「進学できる」ことがゴールではなく、そこで「何を学ぶか」「どう過ごすか」が高校生活の本質です。だからこそ、学費のことだけでなく、お子さまの希望や性格、将来やりたいことをしっかり聞いてあげることが大切です。
◆進路選びで大切にしたい視点
- 学力や偏差値だけでなく、「本人が楽しく通えるか」
- 将来を見据えて、どんな資格やスキルが得られるか
- 先生や在校生の雰囲気、学習環境の充実度も重要
- 交通の利便性や通学負担も含めて検討を
進学先の選定は、保護者の視点と本人の想いをすり合わせる“共同作業”です。「やりたいことができる場所はどこか?」「どんな学校なら毎日が楽しく過ごせそうか?」といった前向きな会話を通じて、お子さま自身が納得のいく選択をできるようサポートしてあげてください。
支援制度は、進学のための「選択肢を増やす道具」です。まずは、正しい情報を集め、制度の内容を理解し、学校ごとの条件も比較検討すること。そして、保護者として「制度を味方にできる」よう備えておくことで、ぜひ、お子さまの学びの可能性を広げるツールとして支援制度を活用してください。
制度の詳細は、静岡県のホームページや在学中・進学予定の学校の窓口で案内されています。進学先の検討と並行して、制度の内容を早めに確認・準備しておくことをおすすめします。
【参考サイト一覧】
- 文部科学省「高等学校等就学支援金制度」公式ページ
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/mushouka/1342674.htm - 静岡県公式サイト:私立高等学校等授業料軽減補助金のご案内
https://www.pref.shizuoka.jp/kodomokyoiku/school/kyoiku/1003777/1003792/1003900/1031881.html
- 静岡県私学協会|授業料軽減制度のチラシ(PDF)
https://www.shizuoka-shigaku.net/app/uploads/genmentirasi.pdf