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【職業紹介シリーズ】使いやすさをつくるUI/UXデザイナーの仕事
2026年01月21日

皆さんは、スマートフォンのアプリやWebサイトを見ていて、操作マニュアルが無くとも自然と使いこなせていませんか?その使いやすさを生み出しているのがUI/UXデザイナーです。見た目の美しさだけでなく、ユーザーが快適に使える体験をデザインする、これからのデジタル社会に欠かせない職業です。今回は、そんなUI/UXデザイナーという仕事について詳しく紹介します。
UI/UXデザイナーは、アプリやWebサイトなどのデジタル製品を使いやすく、魅力的にデザインする専門家です。UIとは「ユーザーインターフェース」の略で、画面の見た目やボタンの配置など、ユーザーが実際に目にして触れる部分のデザインを指します。UXとは「ユーザーエクスペリエンス」の略で、製品を使ったときの「使いやすさ」や「心地よさ」をデザインすることです。具体的には、ユーザーが何を求めているかをリサーチし、情報の配置や画面の遷移を設計し、色やフォント、アイコンなどのビジュアルをデザインします。完成後もユーザーの反応を分析し、改善を繰り返すことで、より良い体験を作り上げていきます。UI/UXデザイナーは、IT企業やWeb制作会社、広告代理店、スタートアップなど、幅広い業界で活躍しています。
UI/UXデザイナーとして働くことには、クリエイティブな仕事ならではの魅力がある一方で、ユーザーと向き合うからこその難しさも存在します。
自分のデザインが多くの人の生活を変える
UI/UXデザイナーの最大の魅力は、自分が手がけたデザインが何千人、何万人もの人々の日常生活に影響を与えることです。例えば、あなたがデザインしたショッピングアプリが使いやすければ、多くの人が快適に買い物を楽しめます。学習アプリをデザインすれば、勉強がもっと楽しくなるかもしれません。SNSアプリなら、人と人とのつながりを生み出すことができます。ユーザーから「毎日使っています!」という声を聞いたときの喜びは格別で、自分の仕事が社会に価値を提供していることを実感できる職業です。
創造性と論理性の両方を活かせる
UI/UXデザイナーは、美しい色使いやレイアウトを考える創造的な面と、データを分析してユーザーの行動を理解する論理的な面、両方のスキルを同時に活かすことができます。デザインのセンスだけでなく、ユーザーリサーチの結果や数値データに基づいて判断する必要があるため、感覚と理性をバランスよく使う仕事です。美術が好きな人にも、数学や心理学が好きな人にも向いている、幅広い才能を発揮できる職業といえます。
成長産業で需要が高まっている
デジタル化が進む現代社会において、UI/UXデザイナーの需要は急速に高まっています。スマートフォンアプリ、Webサービス、IoT機器、AIアシスタントなど、私たちの生活にはデジタル製品が溢れており、それらすべてに優れたUI/UXが求められています。特にいまだ日本では、UI/UXデザイナーの人材が不足しているため、就職や転職の機会が豊富です。また、リモートワークやフリーランスとしての働き方も選びやすく、ライフスタイルに合わせた柔軟な働き方が可能です。
ユーザーの多様なニーズに応える難しさ
UI/UXデザイナーの仕事で最も難しいのは、さまざまな年齢層、背景、スキルレベルを持つユーザー全員にとって使いやすいデザインを作ることです。若い人には簡単でも、高齢者には難しいかもしれません。スマートフォンに慣れている人と、初めて使う人では求めるものが違います。すべてのユーザーを満足させるデザインを作るのは非常に困難で、時には妥協点を見つける必要があります。また、クライアントや開発チームとの意見の違いもあり、自分のデザインが必ずしも採用されるとは限りません。ユーザーテストで予想外の反応が返ってくることもあり、何度も作り直す覚悟が必要です。
常に学び続ける必要がある
デジタル業界は変化のスピードが非常に速く、UI/UXデザイナーは常に最新のトレンドや技術を学び続けなければなりません。新しいデザインツールが次々と登場し、スマートフォンやタブレットの画面サイズも変わり、ユーザーの期待値も年々高まっています。昨年の常識が今年は古くなっていることも珍しくありません。また、デザインだけでなく、プログラミングの基礎知識やマーケティング、心理学など、幅広い分野の知識も求められます。週末にオンライン講座を受講したり、デザイン系のイベントに参加したりと、仕事以外の時間も学習に充てる必要があり、学ぶことが苦にならない人でないと続けるのが難しい職業といえるでしょう。
UI/UXデザイナーになるために、必ずしも特定の資格は必要ありません。ただし、大学や専門学校でデザインやIT、心理学などを学ぶと有利です。最近では「UXデザイン」を専門的に学べる学科も増えています。独学でスキルを身につけることも可能で、オンライン学習プラットフォームで実践的なスキルを習得する人も多くいます。
実際に必要なスキルとしては、デザインツール(Figma、Adobe XD、Sketchなど)の操作、HTML/CSSの基礎知識、ユーザーリサーチの方法、情報設計の考え方などがあります。就職活動では、ポートフォリオ(自分の作品集)を作成し、アピールすることが重要です。未経験からでも、Webデザイナーやグラフィックデザイナーとしてキャリアをスタートし、経験を積みながらUI/UXデザイナーへとステップアップする道もあります。
興味深いことに、UI/UXデザインの考え方は、スティーブ・ジョブズが率いたApple社が1980年代から大切にしてきた思想が源流の一つとなっています。「テクノロジーは人間のために存在する」という考え方が、現代のUI/UXデザインの基礎になっているのです。
UI/UXデザイナーは、デジタル社会の発展とともに、ますます重要性が高まっている職業です。クリエイティブな感性と論理的思考、そしてユーザーを思いやる心を持ち合わせた人にこそこの職業が向いているといえるでしょう。普段使っているアプリやWebサイトを観察し、「なぜこのデザインは使いやすいのか」「どうすればもっと良くなるか」を考える習慣をつけることが、UI/UXデザイナーへの第一歩です。


