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ジメジメするだけじゃない!【6月】の風流な楽しみ方

2022年05月25日

 

6月といえば、爽やかな5月が過ぎて台風が発生したり梅雨入りしたりする影響で、身体に不調をきたしやすくなる時期。「早く梅雨明けして欲しいなぁ」と思いながら“過ぎ去るのを待つ月”という印象を持っている方も多いのではないでしょうか?

 

今回は、そんな6月の風流な異名の数々と伝統行事についてご紹介します。これらを知ることで皆さんが少しでも楽しい6月を過ごせますように!

異名が17種類も!梅雨なのに「水無月」の理由は?

6月の異名として広く知られている「水無月(みなづき)」。

雨が降りやすい時期にも関わらず「水が無い」と書くのはなぜ?と思うかもしれませんが、実は水無月の「無」は古語の連体助詞で、現代語でいうところの「~の」という意味にあたります。したがって、水無月は「水の月」という意味合いになります。

 

今まで水の無かった田んぼに水を注ぎ入れる頃であることから、「水無月」や「水月(みなづき・すいげつ)」「水張月(みずはりづき)」と呼ばれるようになりました。天の恵みである雨は稲づくりに重要なもののひとつであるため、人々の豊作への願いが感じられる素敵な呼び名ですね。

 

現代の6月は旧暦の7月にあたりますので、酷暑にたえて涼しい風を待つという意味の「風待月(かぜまちづき)」や、「常夏月(とこなつづき)」、「炎陽(えんよう)」など、夏の厳しい暑さを感じさせる呼び名が多くあります。

 

一方で、「弥涼暮月(いすずくれづき)」や「涼暮月(すずくれづき)」など、夕暮れの涼しさを表現した異名もあります。また、「蝉羽月(せみのはつき)」という、蝉の羽のような薄い衣を着る月という意味の言葉もあります。昼間の暑さと夕暮れの涼しさ、それぞれを表す多様な呼び名と優美な言葉が素敵ですね。

 

6月の異名は他にもあり、なんと全部で17種類もあります。

 

≪6月のその他の異名≫

建未月 けんびづき

田無月 たなしづき

旦月 たんげつ

鳴神月 なるかみづき

晩月 ばんげつ

伏月 ふくげつ

松風月 まつかぜづき

陽氷 ようひょう

 

このように、様々な表情のある6月ですが、海外ではどのようなイメージで捉えられているのでしょうか?次は、海外の6月にまつわる話をご紹介します。

6月はどんな月?【海外編】

海外の6月といえば、やはり思い浮かべるのはジューンブライド!

なぜ6月に結婚するのが良いと考えられたのでしょうか?それは、ローマ神話で6月を守る神が女神ユノであることに由来します。女神ユノは女性や子供、家庭の守護神であるため、その女神ユノが守る6月に結婚すると幸せな家庭を築けると考えられました。また、ヨーロッパでは、6月は1年間で最も雨が少なく、結婚式日和の天気の良い日が多い時季であることも関係しているのかもしれませんね。

 

次は「月」のお話です。最近日本でもよく聞くようになった「ストロベリームーン」という呼び名。6月に見られる、赤く見える満月のことをそう呼びます。名前の由来は北アメリカのネイティブ・アメリカンに遡ります。彼らは繰り返し訪れる満月に独特の名前をつけることで季節を把握しており、6月はイチゴの収穫期だったので、その月に昇る月を「ストロベリームーン」と呼んでいました。赤く見える月の色と無関係だったとは意外ですが、かわいらしい呼び名ですね。

 

さて、ここで話を日本に戻して、昔からある6月の伝統行事を見ていきましょう。

6月を楽しむ!日本の伝統行事
6月6日:稽古はじめ

6月6日は習い事を始めるのには良い日とされ、楽器や舞踊などの芸事では6歳の6月6日に始めると上手になるとの言い伝えもあります。また、指を折って数えるとき、6は小指が立つことから「子が立つ」とされ、子どもの独り立ちには縁起が良いと考えられています。

6月16日:嘉祥(かしょう)

旧暦の6月16日に和菓子や餅を神様にお供えし、病気にならないようにという願いを込めてお供え物をいただく「嘉祥食い(かしょうぐい)」という厄除けの行事です。

江戸時代には宮中だけでなく、庶民の間でも16文で餅16個を買って食べる風習が広まり、江戸城では七嘉祥といって7種類の菓子を用意し、家臣ひとりに一個ずつ配られる「嘉祥頂戴」という行事が行われていました。

このような故事にちなみ1979年には全国和菓子協会が、嘉祥が行われた6月16日を「和菓子の日」と定めました。

 

6月30日:夏越の大祓(なつごしのおおはらい)

人が知らず知らずのうちに犯した罪や、心身の穢れを祓い、清める神道の儀式。

夏の暑さが始まり、心身共に弱りがちな季節に病気をせずに無事に乗り越えられるように、という願いが込められています。大祓のときに神社でよく見かけるのが茅(かや)でできた大きな輪。江戸時代の初期から一般的になった「茅(ち)の輪くぐり」という神事です。この輪をくぐることにより、心身の穢れを祓い、無病息災を願います。大祓は6月だけでなく、12月31日にも「年越しの大祓」が行われます。一年の中盤と終わりに穢れを祓うことで健やかに過ごせそうですね。

 

以上、今回は異名や伝統行事など、6月にまつわるお話をしました。

この時期は「湿度が高くて苦手」という方も多いと思いますが、実はこの「湿気」があるからこそ、ホタル観賞が楽しめるのをご存知でしたか?ホタルの生育条件は湿度80%前後。

人間にとってはむわっとして辛く感じる環境ですが、梅雨があるからこそ、きれいなホタルを見られるのかもしれませんね。ムシムシする6月ですが、皆さんなりの楽しみ方を見つけて心豊かに過ごせますように。

 

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