KATEKYO知恵袋
勉強をするなら雨の日!集中力・記憶力がアップするって本当?
2022年06月08日
皆さんは、雨と聞いて何をイメージしますか?
「濡れるし髪がまとまらないから嫌い」「ジメジメしていて苦手」など、どちらかというとマイナスイメージが先行しがちになってしまいますよね。
ですが、実はこの雨の日が勉強をするうえで、とても効果的だということが近年の研究によって明らかとなったのです。
「なぜ雨の日が勉強に適しているのか」
今回は、そんな「雨の日」に得られる効果についてお話していきます。
一見マイナスイメージの強い「雨の日」ですが、なぜ勉強に適しているといわれているのでしょうか。
その理由として挙げられるのが3つの効果です。
川のせせらぎや心臓の音、ろうそくの炎のゆれなど、自然界には多くの「ゆらぎ」で溢れています。一定のリズムを繰り返す音と異なり、不規則に、ですが聞いているととても心地の良い感情をもたらす音のことを「1/fゆらぎ」といいます。
人やそのほかの生き物たちは、このゆらぎの音を日々の生活の中で自然と耳にしていることから、心が落ち着き、心地よさを感じるようになるそうです。
ポツポツ…と、静かに響く雨音。実はこの雨音には人の耳では聞くことのできない高周波が含まれています。ハイパーソニックと呼ばれるこの高周波が、脳に直接触れることで、脳内に「α波(アルファは)」を発生させるというのです。α波が発生している状態の脳は、リラックス状態であり、脳細胞が活性化されている状態となります。
雨から得られる効果はなにも音だけではありません。落ちてくる雫の様子や広がる波紋など、目から得られる視覚効果も集中する際にとても効果的だといわれています。
水本来がもつ清らかなイメージに加えて、ゆらゆらと波打つ様子は、自然と人々の心を落ち着かせ、和ませてくれるのです。
これは水に限らず、焚火や風にゆれる木々の様子でも同様の効果が得られます。
また、近年オーストラリアのニューサウスウェールズ大学で行われた研究によると、人は晴れた日よりも暗く雨の降る日のほうが記憶力は高まるということがわかりました。
ある店のカウンターにさまざまなおもちゃや貯金箱などの小物を10点ほど置いて、買い物客が退店したあとカウンターに何が置いてあったかを質問し、どれだけ答えられたかという実験でした。
その結果、より風が強く吹く暗い雨の日の方が、晴れた日の3倍も物を記憶していたことがわかったのです。また記憶していただけではなく、あたかも置いていたように勘違いをしていたといった確率が低かったそうです。
その理由として、人々は暗い気持ちになればなるほど、周囲への警戒心を強め、慎重に行動するようになり、一方で、天気のよい日は幸福な気持ちが高まり注意力は低下してしまうからなのでは、とされています。
この研究により、雨の日は記憶力が上がるだけではなく、身の回りへの注意力も高まっているということが明らかとなりました。
(参考 :AFPBB News『天気が悪いほうが記憶力が高まる、豪大研究結果』)
勉強をするうえでとても効果的な「雨の日」。できれば、勉強をする時に降ってほしいものですよね…。梅雨の季節なら比較的多く雨が降りますが、例えば北海道だと梅雨の時期がありません。
ですが安心してください。これらの効果は、実際の雨ではなくとも得られるのです。
最近では動画配信サイトに「雨の音」だけを録音した動画があれば、インターネットラジオでは雨音に限らず自然界の音をジャンルごとにチャンネルを分けたものもあります。
密閉された空間や気軽に窓を開けられない状態のときもあるかと思いますので、ぜひこういった方法で音源を活用してみてはいかがでしょうか。
このように、雨の日はリラックス・集中・記憶力アップとさまざまな効果が得られることがわかりましたね。
また、脳の活性化の効果をもたらす『α波』が発生することによって、幸福感を感じる「βエンドルフィン」といったホルモンが分泌され、体内の免疫力を高めるといった効果があるのだそうです。
勉強に集中できるだけでなく、病気の予防効果もある雨の音。
人々にとってとても身近な存在の雨は、自然への恵みだけでなく、何かを得るための「鍵」でもあるのかもしれません。
ぜひ、皆さんも何かに集中したいときは雨の音を聞いてみてはいかがでしょうか!