KATEKYO知恵袋
【職業紹介シリーズ】お菓子の芸術家『パテシィエ』ってどんな仕事?
2022年12月21日
ケーキやクッキー、ドーナツ、プリンなど、皆さんも一度は食べたことのある洋菓子。
そんな美味しい洋菓子を手掛けるのは、『パティシエ』といった職業です。
具体的にどういった仕事をしているのでしょうか。
今回は、そんなパティシエの魅力についてご紹介していきます。
パティシエ(pâtissier)とは、フランス語で「菓子製造人」という意味があり、おもに洋菓子を専門とした菓子職人のことを指します。
同様の意味をもつ単語として「パティシエール(pâtissière)」もありますが、これは女性の菓子職人に対して使われる名詞で、日本においては男女ともに「パティシエ」と呼ばれています。
また皆さんは、パティシエに階級が設けられているのをご存じでしょうか。
パティシエとして働き始めたころは「アプランティ」と呼ばれる見習いから始まり、鍛錬と経験を経て、限られた人のみが製菓長である「シェフ」になることができるのです。
おもにパティシエは、洋菓子店やホテル、レストラン、結婚式場、製菓工場など、幅広い場所で活躍しています。ケーキや洋菓子の販売を行ったり、来店したお客様にデザートを提供するほか、製菓企業に就職して企業の商品を開発したりと就職先によって仕事内容も異なります。
どの仕事も一貫していえるのは、「お客様に喜んでもらうためのお菓子を作る」ということ。
次は、そんなパティシエの魅力についてみていきましょう。
輝かしいパティシエの仕事ですが、具体的にどんな魅力があるのでしょうか。
パティシエの最大の魅力は、やはり「自身で考えたお菓子が商品となって、食べた人の笑顔が見られる」ということではないでしょうか。
パティシエを目指す方のなかには、「こんなお菓子を作ってみたいな」と想い描く理想のお菓子があるかと思います。
経験を積みスキルを磨くことで、いつしか自身で考えたオリジナルのお菓子を商品として販売することができたら。そして、それを「美味しい」と言って食べてくれるお客様の幸せそうな笑顔を見られたら、パティシエはそんなやりがいを強く感じられる仕事なのです。
またフランス主催のクープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー(Coupe du Monde de la Pâtisserie)やアメリカ主催のワールド・ペストリー・チーム・チャンピオンシップ(World Pastry Team Championship)、国内では全国洋菓子技術コンテスト大会など、国内外問わず、さまざまなコンテストが開催されています。
コンテストに入賞できれば、それだけ話題性や注目を受けることができます。今後、独立して店舗を出店する方にとって、これ以上の功績は無いといえるのではないでしょうか。
そんな魅力溢れるパティシエの仕事ですが、一方で実際に働いてみると「大変」と感じてしまう瞬間もあるようです。
パティシエとして働くうえで、経験と技術は欠かすことのできないステータスです。
長い下積み時代を経て培ってきたスキルがあるからこそ、他店とは一層異なる独自のオリジナリティー溢れるお菓子を作り出すことができるのです。
下積み時代の期間は人によって異なります。なかなかパティシエとして思うような活動ができないと思い悩む方も少なくありません。
とくにフランスはパティシエという職業が生まれた本場でもあります。
国内と比べて、高い技術と経験が求められる場面に遭遇することもあるでしょう。海外でプロのパティシエとして活躍していくためには、入念に組まれた準備期間と強い精神力、そして常に向上心をもって目指すことをおすすめします。
先に結論からいいますと、パティシエは資格が無くても始められる仕事です。
未経験のうちから洋菓子店やホテル厨房などに就職し、何年も働きながらパティシエとしての技術を身に付ける方もいます。長年携わってきた経験を活かして、自身をパティシエだと名乗ることもできるのです。
しかし、より専門的なスキルや知識をもっている方が、今後独立して自身の店舗を出す際には大いに役立ちますので、ぜひ取得してみてはいかがでしょうか。
製菓衛生師免許とは、洋菓子や和菓子などさまざまなジャンルの菓子に関して、製造技術と衛生面での知識が身についていることの証明となる資格です。
製菓衛生師になるためには、
・パティシエの専門学校を卒業し、受験資格を得る方法
・働きながら独学で試験に合格する方法
・製菓衛生師養成施設にて資格取得に必要な単位を取得し、受験資格を得る方法
の3つの方法があります。
製菓衛生師の試験は4択問題のペーパーテストのみとなっていますので、資格取得を目指す方は過去の出題傾向をしっかり把握しておくとよいでしょう。
菓子製造技術士とは、パテシィエの国家資格であり、国からパテシィエとしての技術や知識を認められた者に与えられた証明です。
洋菓子と和菓子それぞれで1級、2級と資格が用意されています。取得するためには実務経験が必須となり、知識のみならずパティシエとしての腕も問われる資格なのです。
試験は、「学科」と「実技」で構成されており、2級の菓子製造技技術士の合格率が例年40~50%程度といわれていることから比較的難易度の高い資格ということがわかりますね。
さらに本場フランスでも「セ・ア・ペパティシエ(CAP Pâtissier)」というパティシエの専門資格があります。よりプロのパティシエを目指したいという方は、ぜひこちらの資格も目指してみてはいかがでしょうか。