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【職業紹介シリーズ】法律の専門家『弁護士』ってどんな仕事?
2023年01月25日
某テレビドラマにも多く登場する『弁護士』。
さまざまな問題やトラブルを抱えている人を、法律を通して解決する姿に憧れをもつ方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、実際どういった仕事をしているのか、弁護士になるためにはどうしたらいいのか、など弁護士についてあまり知らないという人のために、今回は弁護士の仕事内容や魅力、必要な資格について簡単にご紹介していきます。
弁護士とは、法律や裁判を専門とし、すべての裁判所(簡易、家庭、地方・高等・最高裁判所)にてトラブルを抱えた依頼者のために代理として行動する職業となります。
おもに法律に関する相談や交渉、示談、契約書の作成など、依頼者の相談内容に応じた業務を行います。
弁護士が解決を目指すトラブルは、大きく分けて「民事事件」と「刑事事件」の2つの種類があります。
「民事事件」は、金銭のトラブルや離婚、相続関係などの生活の中で起きてしまう争いに関して、代理人として弁護を行います。一方「刑事事件」は、事件や事故などにより犯罪の疑いをかけられた人を弁護することを目的としています。
では、そんな魅力あふれる弁護士の仕事ですが、実際どのような魅力があるのでしょうか。
困っている人を助ける法律のエキスパート
金銭や人間関係など、さまざまな問題や悩みを抱えている方を、法律を通して解決することが弁護士にできる唯一の仕事です。クライアントの問題を解決するのは決して容易なことではありません。ですが、そんなときにこそ活躍するのが弁護士の存在です。専門知識を活かして人の役にたつということは、それだけやりがいも大きく、弁護士ならではの魅力といえるのではないでしょうか。
無事、問題を解決できたとき「ありがとう」と依頼者の心からの笑顔や感謝の言葉をもらえるのは弁護士になって良かったと感じられる瞬間といえますよね。
クライアント対応に疲れてしまうことも
弁護士に依頼をしてくる方の多くは、金銭や人間関係などさまざまな問題や悩みを抱えている方ばかりです。そんな人のなかには、非常に複雑化した問題やトラブルを抱えている方もいることでしょう。
弁護士の仕事は、その人の今後の人生に大きな影響を及ぼす可能性もあり、それだけ大きなプレッシャーやストレスを抱えてしまうケースも珍しくありません。
クライアントに寄り添う姿勢も大事ですが、同じくらい自身のメンタルケアを行うのも重要な仕事のひとつといえるかもしれませんね。
弁護士になるためには、弁護士資格を取得する必要があります。
弁護士資格は司法試験に合格し、1年ほどの司法修習を得て資格を取得することができます。
資格取得までの一連の流れをみていきましょう。
司法試験を受験するためには、法科大学院に入学し、2年間または3年間法律の理論や実務を学び、過程を修了することが必要となります。またほかにも『司法試験予備試験』に合格することで司法試験を受けることが可能です。司法試験予備試験に関しては、法科大学院を卒業していなくても受けることのできる試験です。どちらのルートを選択するかは、弁護士資格を取得するまでの年数や費用、合格率などを比較して決めるとよいでしょう。
司法試験は、短答式の試験と論文式が出題されます。
短答式:憲法、民法、刑法の3科目
論文式:公法系科目、民事系科目、刑事系科目、選択科目(※1)
(※1 倒産法、租税法、経済法、知的財産法、労働法、環境法、国際関係法(公法系と私法系)令和4年 司法試験内容参照)
短答式の合格ラインを満たしており、短答式と論文式の成績を総合して合否が決定します。万が一、どちらかの試験において最低ラインに達していない科目が1科目でもあるものについては、それだけで不合格となってしまうので注意が必要です。
司法試験に合格したあとは、司法修習を1年間受けることで法曹(弁護士、裁判官、検察官)になるための資格を取得することができます。
司法試験といえば、「最難関」といわれるほど、難易度の高い資格試験となります。司法試験の偏差値は75前後となっており、国家資格のなかでもっとも難易度の高い資格です。それ相応の勉強が必要なのでは、とお考えの方もいらっしゃるかと思いますが実際どれくらいの人が弁護士になれているのでしょうか。
過去5年間の合格者数とその合格率についてみてみましょう。
2018年の数値と比較して司法試験の合格者は例年約1,400名~1,500名と横ばい状態をキープしていますが、合格率でみてみると年々確率が高くなっていることがわかります。
また法務省が発表した法科大学院別の合格者数によると、もっとも多い合格者を出したのは『予備試験の合格者』でした。予備試験の難易度の高さが司法試験の高さと同等であるということ、試験制度が司法試験と似た設計となっていることが合格率の高さにあらわれているのではないかとされています。
より確実に弁護士資格を取得したいという方は、予備試験に合格することを最初の目標に掲げてみるのもいいかもしれませんね。
(参考:法務省『令和4年司法試験法科大学院等別合格者数』)
(参考:日本弁護士連合会『弁護士になるには』