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気体について 二酸化炭素・アンモニア
2025年02月21日
こんにちは。今回は気体(二酸化炭素とアンモニア)について、お話しします。
まずは、二酸化炭素です。呼気に含まれていますね。呼気の半分近くが二酸化炭素ですか?それとも、80%が二酸化炭素?実は、皆さんが考えているよりもはるかに少ない、約4%しか二酸化炭素は含まれていないんです。79%ほど(約8割)が窒素、16%ほどが酸素、4%ほどが二酸化炭素、その他1%ほどです。呼気は、おおよそ空気の組成に近く、思っているほど二酸化炭素は多くないんです。
一方、空気は78%が窒素、21%が酸素、残りの1%の中で、二酸化炭素は0.03%しかありません。4÷0.03=133.333ですから、空気を吸って、吐き出した呼気の二酸化炭素は100倍以上の濃度になっています。それでは、二酸化炭素は水にどれくらい溶けるでしょうか。温度にもよります(固体と違って、温度が低い方が気体はよく溶けます)が、常温(化学では25℃)では100ccの水に0.145gほど溶けます。少なく感じますか?体積に直すと約74mLです。なかなか多いんですよ。そして、やや難しくなりますが、なぜ溶けやすいかというと、二酸化炭素と水の間で水素結合という力がはたらいて水によく溶けるんです。でも、呼気にわずかしか二酸化炭素は含まれないのに、ちゃ~んと水溶液の酸性、中性、アルカリ性(高校では塩基性といいます)が変化してBTB液を入れると溶液の色が変わるのはすごいですね。
次は、アンモニアです。まず、常温で水にどれくらい溶けるか。常温(25℃)でのデータがなかなか無いので、0℃での値は、なんと水100ccに約1180mLほどです。温度が低いと気体は多く溶けるので25℃の二酸化炭素と比較するのもいかがなものかと思いますが、二酸化炭素の約16倍も水に溶けます。ですから、中学の理科ではアンモニアは水に『非常によく』溶けると書かなければダメなんですね。
なぜ非常によくとけるのか。水もアンモニアもどちらも水素結合をしていて、似た者同士仲が良い、つまり水和しやすいからです。そして中学では空気よりも軽い(空気よりも密度が小さい)ので上方置換法で集めなければならない!がポイントでしたね。高校の化学基礎を学ぶと分かりますが、おおざっぱな書き方をすると空気は22.4Lの重さが28.8g、一方、気体のアンモニアは17gなんです。ですから、空気よりも軽いんですね。同じく水に溶ける二酸化炭素は44gと空気よりも重い(比重が大きい)んです。ですから、上方置換法ではないんですね。
浜松事務局 漱石枕流先生