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toxicant?poison?medicine?
2019年09月13日
毒と薬は何が違うのでしょうか?
毒とは人を殺すもので、薬とは病気やケガを治して人を生かすもの。
「殺すもの」と「生かすもの」180度違うものですね。
でも昔から「毒と薬はサジ加減」と言います。そしてギリシア語の格言に「量が毒をなす」
という言葉もあります。
量によって毒になったり薬になる、大量に食べれば何でも毒になるという意味です。
2007年アメリカで水飲みコンクールがあり準優勝した女性が家に帰ってから亡くなりました。
医師の診断では「水中毒」だったそうです。
飲まなければ死んでしまう体に大切な水も量を超えれば命を奪う毒になるというよい例です。
また毒は化学の歴史でもあります。
化学は「創造の学問」です。
化学はこれまで宇宙に存在しなかった物質を「創造」できるのです。
皆さん、周期表を見てください。
原子番号118までの元素が載っています。
しかし自然に存在するのは92まで。
それ以上の元素は人間が創り出したものです。
自然界には恐るべき毒を持った生物が数多く存在します。
しかし生物たちは好んで毒を持つようになった訳ではなく、
生き残るための手段として毒をもっているだけなのだ。
それに対して人間は、同じ人間の大切な命をも奪う
化学物質と呼ばれる毒を数多く生み出して来た。
次回からは何回か化学からみた毒と人間に焦点をあてたいと思います。
藤枝事務局所属 T.U先生