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第5回 はじめての大学入学共通テスト①
2020年08月13日
2020年6月19日、文部科学省から2021年度入試の『大学入学者選抜実施要項』が公表されました。
なんといっても今回の大学入試改革の目玉は『大学入学共通テスト(以下、共通テスト)』ですね。
ではどう変わるのか、どのように実施されるのか、お話ししていきます。
コロナ禍において、臨時休校が長期化されました。「授業のスピードが、超速い!」「夏休みが、やっと始まる。」
いろいろな影響が出ましたね。文部科学省は、様々な検討を重ねた結果、共通テストについて、次のことを決定しました。
① 第1日程 2021年1月16日(土)、17日(日)
第2日程 2021年1月30日(土)、31日(日)(学習の遅れに対応するため)
※出願期間(9月28日(月)から10月8日(木))に高3生が希望し、学校長が認めた場合のみ第2日程での受験が可能(原則、浪人生は第1日程のみ)
※第1日程と第2日程で 得点調整はなし
② 出題範囲 変更なし
③ 特例追試験
第1日程を病気などのやむを得ない事情で受験ができなかった場合
→第2日程にて受験
第2日程を同様の理由で受験できなかった場合→2月13日(土)、14日(日)にて受験
さてここで、 先ほど「出題範囲は変更なし」とお話ししたことについて補足です。範囲の変更はありませんが、
内容は大きく変わりますよ。どう変わるのか。まずは、共通テストへの移行の目的からお話しますね。
センター試験は『知識・技能』を中心に評価してきました。では、共通テストは何を評価するのでしょう。
『知識・技能』と同様に『思考力・判断力・表現力』がバランスよく評価されるのです。
「え?表現力っていうけど、記述は無くなったんでしょう?」
はい、その通りです。共通テストでは、採点の公平性に欠けるという事由から、国語と数学の記述式問題の出題は見送られました。
しかし、知識の理解の質を問う問題や思考力・判断力・表現力を発揮して解くことが求められる問題を重視する、としています。
マーク式の問題でも表現力を問われる問題が出されるのでしょうね。また、「いわゆる連動型の問題(連続する複数の問いに
おいて、前問の答えとその後の問いの答えを組み合わせて解答させ、正答となる組み合わせが複数ある形式)」を出題する
場合がある、ともされています。
「ほかに見送られたものは?」 はい、そうです。民間の英語資格・検定試験の導入ですね。英語の4技能をバランスよく評価
することを目指すため導入される予定でしたが、これも受験機会の公平性に欠けるという事から共通テストでの導入は見送られ
ました。しかし、英語資格・検定試験の活用については、これまで通り各大学の裁量に任されることになっています。
そしてその活用は、年々広がっています。
「共通テストは、センター試験より難しくなる」と言われています。どういうことなのでしょう。
先ほどお話した通り、共通テストは「思考力・判断力・表現力」を評価します。
知識や技能を試されるだけではなく、それらを使って考えたり、必要な情報を選んで答えたりすることが増えるのです。
読み取る情報がかなり多くなるテストになります。どの教科も、問題のページ数が増える予定です。
多い科目では約1.8倍に増えるものもあるんですって。
目標得点率は、センター試験は60%でしたが、共通テストは、なんと10%も下げられ、50%として作られます。
難しくなる、という事がわかりますね。
これらの変更は、2021年度においての変更点です。(6月末までの情報を基にしています。)翌年、2022年実施分
については、さらに変更が生じる可能性があります。また、2024年度からの共通テストは、高校の教科書が変わるなどの
大きな変化があるため、それまでの共通テストと違ってきます。現在中学2年生のあなたたちが受ける共通テストのことですよ。
毎年、何らかの変更がされながら共通テストが進んでいくと思われます。情報をキャッチしながら、対応できる学力を、しっかりと
身に着けていきたいですね。
お疲れ様でした。今回はここまでにします。共通テストについては、お伝えすべき点がたくさんあります。
教科・科目ごとの変更点、注意点は次回にお話しすることにします。