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錆びない金属
2021年11月12日
金属は、便利で役に立つ頼もしい素材ですが欠点もあります。 その一つは錆びるこることでしょう。金属は、 酸素と反応して結になります。 包丁は放っておけば錆びて赤くなり、 長い年月の間には朽ちてしまいます。銅は、 緑色の緑青という錆になります。
ところが、 ステンレスの様にいつまでたっても錆びず輝きを失わない金属があ ります。ステンレスは、ステン (錆)がレス(ない)ということからつけられた名前です。また、 窓に使われるアルミニウムも雨風にさらされているにもかかわらず 錆びることがありません。
そして貴金属といわれる、金、銀、 白金も錆びずに輝きを失いません。
金属が錆びるのは金属が酸素と反応することですから、 錆びさせないためには酸素から遮断すればよいことになります。 簡単には、ペンキのような塗科を塗ればよいことになります。 プラスチック膜でカバーしてもよいでしょう。 鉄板の表面をガラス質の物質で覆う方法は琺瑯といいます。 金や白金のような錆びない金属でメッキするのも一つの方法です。
金や白金が錆びないのは、これらの金属が安定であり、 酸素と反応してもエネルギー的なメリットがないからです。 それに対して、鉄や銅は、 酸素と反応したほうがエネルギー的に有利なので、 酸素と反応して錆になるのです。
ところが、金属の中には、酸化されて生じた錆が非常に硬くて、 緻密な膜になるものがあります。このような金属では、 表面が浅く錆びると、 それ以上酸素が内部に入っていくことができません。
すなわち、酸化がそれ以上進行しないことになります。 このような膜を不動態といいます。アルミニウムやクロムは、 このような不動態をつくるのです。 不動態をもったアルミニウムはアルマイトと呼ばれヤカンや鍋など の食器によく使われます。
クロムの不動態のおかげでクロムメッキした鉄は錆びませんし、 鉄とクロムの合金であるステンレスもクロムの不動態が金属全体の 表面を覆ってそれ以上の錆を防ぐのです。
身近な金属の特徴を利用して私達の生活は成り立っているのですね 。
高校の無機化学の単元で学習しますので小学生、 中学生の皆さんは楽しみにしていて下さい。
藤枝事務局 T.U先生